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新規開業で花屋を成功させるには
花が好きで「いつか自分の花屋を持ちたい」と思っている人は少なくありません。しかし、現実には花屋を開業してもすぐに廃業してしまうケースがとても多いのが現状です。なぜなら、花屋というビジネスは「花を仕入れて売る」というシンプルな構造でありながら、廃棄リスクや集客の難しさ、そしてライフスタイルの変化による需要減少という複数の課題を抱えているからです。
それでも「花で生きていきたい」と願う人のために、本記事では新規開業で花屋を成功させるための考え方や実践的なポイントを解説します。
花屋が抱える最大の悩み「売れない」現実
まず理解しておくべきは、花は必需品ではないということです。
日常的に花を購入する人は限られ、特に若年層では「年に一度も花を買わない」というデータもあるほど。冠婚葬祭や母の日など、特定のシーズン以外は需要が少なく、売上が安定しにくい業種です。
さらに花は生鮮品。仕入れたら3日以内に売り切らなければ廃棄リスクが高まります。開業したての花屋が直面するのは「仕入れた花が売れずに捨てる」という残酷な現実なのです。
起業1年目で7割が廃業する理由
一般的に起業の生存率は厳しく、1年で約7割が廃業し、10年続けられるのは1割程度と言われています。花屋も例外ではありません。むしろ鮮度維持や立地依存度が高いため、さらに厳しい環境です。
最初は情熱と希望で突き進めても、資金繰りや体力が尽きてしまうと続けられなくなります。だからこそ、「続ける」ための仕組みづくりが何より大切なのです。
SNS集客の重要性
昔は地元の常連客に支えられていた花屋も、今ではSNSでの発信が集客の命綱になっています。インスタグラム、Pinterest、Facebook、X(旧Twitter)、LINE公式、Googleマップ、ブログ……これらを駆使しないと新規顧客はなかなか獲得できません。
ただし、花屋はとにかく忙しい。仕入れ、水揚げ、接客、アレンジ、配達……その合間にSNS投稿をするのは容易ではありません。外注という選択肢もありますが、全て委託するとコストが膨らみますし、悪質な業者に騙されるリスクもあります。
最もおすすめなのは、オーナー自身やスタッフがSNSを学び、実際に自分たちの言葉と写真で発信すること。いいね!やフォロワー数に一喜一憂する必要はありません。地道に続けることで「この花屋にお願いしたい」というファンが少しずつ増えていきます。
立地選びは経営の生死を分ける
花屋にとって立地は最重要要素です。人通りの多い駅前や商業施設の近く、学校やコンサートホールのそばなどは、安定した集客につながります。家賃が高くても、駅から遠くて人が来ない立地よりは有利です。
一方で、郊外型店舗には別の戦略があります。カフェ併設やガーデニング用品販売など、ライフスタイル提案型の花屋にすることで、「わざわざ来たい」と思わせる空間にするのです。この場合は、店全体の雰囲気づくりが重要です。
商品力=リピーターを生む最大の要素
花屋を長く続けるには「新規顧客」より「リピーター」をいかに増やすかが鍵になります。そのためには、商品力が不可欠です。
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他にはない独自のデザインや世界観
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常に可愛い、センスのいい店内
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SNSで作品をチェックしているファンがいる
こうした要素が揃えば、「またここで買いたい」と思ってもらえます。単に花を売るだけでなく、あなたの店でしか体験できない価値を提供しましょう。
生花にこだわらない経営戦略
花屋といえば生花、と思われがちですが、それに縛られる必要はありません。実際、冷蔵庫の導入や大量仕入れには大きなコストがかかります。無理に生花を常備するよりも、予約制や受注生産に切り替えることで、廃棄ロスを防ぐことができます。
さらに、プリザーブドフラワー、造花、ソープフラワーなど、生花以外の商品に注力するのも有効です。実際に、こうした経営モデルで成功している店舗も増えています。
花屋は騙されやすい?
新規開業の花屋に営業電話やFAXが大量に届くのは珍しくありません。「集客を増やせます」「売上アップのお手伝いします」と甘い言葉をかけてきますが、その多くは高額なサービスや詐欺まがいの商材です。
知識がないと簡単に騙されてしまうので注意が必要です。最低限の集客知識を持っていれば、「それなら自分でやっています」と断ることができます。経営者としての勉強は必須なのです。
生花を置かない「変わった花屋」という選択
私自身、国家資格であるフラワー装飾1級技能士を持ちながら、生花を置かない花屋を経営しています。受注生産を基本とし、店頭にはプリザーブドフラワーや造花を販売。生花は予約制にして廃棄ゼロを実現しました。
結果として、仕入れや冷蔵庫のコストから解放され、体力的にも経済的にも持続可能な経営ができています。しかも「他にはない花屋」として差別化でき、お客様からの評価も高まっています。
結婚式ブーケ保存加工専門店としての成功
さらに差別化を図ったのが「ブーケ保存加工専門店」という業態です。結婚式や記念日の花を残したいというニーズは根強くありますが、全国的にも持ち込み可能な専門店は少ないのが現状です。
保存加工は単価が高く、6万円から40万円と幅広い価格帯。一般的な花束販売よりも高い利益を得ることができます。遠方からもお客様が訪れるほどニーズは大きく、これが花屋経営を支える大きな柱となっています。
花屋が生き残るための新しいモデル
「花は売れない時代」と言われますが、それは旧来のやり方に固執している場合の話です。生花に依存せず、EC販売や加工品、雑貨と組み合わせた複合型経営にシフトすれば、安定的な売上を確保することができます。
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生花は最低限、予約制に
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プリザーブドや造花、雑貨を取り扱う
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ECサイトで販路を広げる
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ブーケ保存加工など高単価商品を導入する
これらを組み合わせれば、花屋は「売れない」業種ではなく、むしろ成長できるビジネスになります。
まとめ:情熱と柔軟な発想が未来をつくる
花屋を新規開業するのは簡単ではありません。立地、資金、集客、商品力、廃棄リスク……あらゆる課題が待ち受けています。それでも、花に対する情熱と柔軟な発想、そして正しい知識と戦略があれば、花屋で成功することは可能です。
「花が好き」という気持ちだけでは経営は続きません。しかし、「どうすれば続けられるか」を真剣に考え、工夫を積み重ねていけば、あなたの花屋はきっと特別な存在になれるはずです。
花のある暮らしを広めるために──あなたの挑戦が、新しい花屋の未来を切り開いていきます。
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